今回は感染症についてお話いたします。
感染症と聞くと数年にわたって流行した新型コロナウイルス感染症を思い出す方も多いかと思います。感染症とは、病気を起こす病原体が人や動物に定着し症状を引き起こすことを言います。病原体は、細菌・ウイルス・真菌・寄生虫などに分類されます。病原体が体内に侵入しても症状が現れる場合と現れない場合がありますが、これは病原体の感染力と私たちの抵抗力のバランスによって決まります。
感染した時の症状は様々ですが、発熱・咳・鼻水・嘔吐・下痢などがあり、私たちがよく耳にする「風邪」も感染症の1つです。
病原体が体内に侵入する経路は、接触感染・飛沫感染・空気感染・媒介感染の4つに分類できます。接触感染とは、感染源に直接接触して感染することを言います。とびひ、破傷風などがあります。飛沫感染とは、咳やくしゃみで飛び散った水滴(飛沫)を吸い込むことで感染することを言います。インフルエンザ、百日咳、一般的な風邪などがあります。
空気感染とは、口から出た病原体が空気の流れによって拡散し感染することを言います。麻疹、水痘、結核などがあります。
媒介物感染とは、汚染された水・食品・血液・昆虫などを介して感染することを言います。食中毒、ウイルス性肝炎、マラリアなどがあります。
感染症に罹患するととても辛く苦しいですよね、できれば感染せずに毎日健康に過ごしたいですが...残念なことに感染症に絶対に罹らない方法はありません。日頃から感染予防を心掛け、罹患しても症状が悪化しないようにすることが大切です。
医療現場で使用されている「スタンダード・プリコーション:標準予防対策」という用語があります。ご存知の方もいらっしゃるかと思います。
医療ケアを提供する全ての場所で適用される感染予防策で、感染症の有無に関わらず全ての患者さまに適用されるものです。「汗を除く全ての血液、体液、分泌物、損傷のある皮膚・粘膜は感染性のある病原体を含む可能性がある」という原則に基づき、手指衛生(手洗いや手指の消毒)、マスク・ガウン・グローブの着用により感染リスクを日頃から減少させる予防策のことです。
スタンダード・プリコーションの理念があるからこそ患者さま、医療者の両者が安心・安全に治療の享受ができます。
スタンダード・プリコーションの理念からも分かるように、感染症が流行してから慌てて知識不足の状態で感染対策をするのではなく、日頃から正しい知識のもとコツコツと出来る範囲で感染予防をすることはとても大切です。10月に感染症についてお子さま達にお話をしました。どうして風邪を引くのかな、風邪を引いたらどんな気分かな、ウイルスから身を守る方法はあるかな、などお子さまと一緒に考えました。日頃行っている手洗いの仕方も見直しました。手洗い・うがいの実施、必要時マスク着用、規則正しい生活をおくり、上手にストレスを解消して感染症に負けず元気に過ごしましょう!これから寒い冬が到来しウイルスが活発になります、今一度感染対策を見直しできることから取り組みましょう。
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