今回はお子さまに起こりやすい事故についてお話いたします。
事故には様々なものがありますが、誤飲や窒息は小さなお子さまに多い事故の1つです。
保育園でもお子さまがお食事を摂る際は、誤飲や誤嚥をしないよう留意しております。また、職員は研修を行い緊急時に対応できるようにしています。
また、お子さまは大人に比べて気管の太さが狭いため、誤嚥や誤飲をするリスクが高くなってしまいます。大人の気管の太さは2㎝、1歳のお子さまの気管の太さは7.8㎜と言われています。お子さまの気管の太さがとても狭いのに対して、口の直径は4㎝あります。そのため、気管を通らないものでも口の中に入ってしまうことが誤飲や窒息を引き起こす要因とも考えられています。
誤飲、誤嚥、窒息とはどのような状況なのでしょうか。「誤飲」とは、食べ物以外のものが口を経て食道(食べ物や飲み物の通り道で喉から胃に繋がっている管)に入ることです。「誤嚥」とは気道(気管を含む空気の通り道で喉から肺に繋がる管)に異物が入り込むことです。「窒息」は気道の一部に異物や食べ物が入り気道が完全に閉ざされ酸素が不足する状態のことです。誤飲も誤嚥も窒息も私たちに重大な健康被害をもたらします。
人間は生きていくために食事を必ず摂らなければならないため、その食物が窒息の原因になることからお子さまの窒息をゼロにすることは難しいとされています。大人の目の前で窒息を起こすケースが多いため、見ているからといって防げることではありません。1度窒息を起こすと解除することが難しいため、お子さまの口腔機能や能力を理解し年齢に合った食品を与える、丸飲みを習慣化させない、噛む習慣をつけるなど予防に取り組みましょう。大人が目を離しても良い環境作りをすることが大切です。
窒息時のサインとしては、急に咳き込む・ゼーゼーして苦しそう・顔色が悪い・首をおさえて苦しそうにしているなどです。ゼーゼーと音がしているうちは完全に窒息はしていません。完全に窒息すると呼吸が止まるため何も音がしなくなります。
窒息に気が付いたら気道異物除去の実施(背中を叩く背部叩打法、お腹をおす腹部突き上げ法などがあります。腹部突き上げ法は内臓損傷の危険もありますので、背部叩打法を優先して行いましょう。妊婦の方や1歳未満のお子さまには腹部突き上げ法は禁忌となります。)と一次救命処置、119番通報をしましょう。心肺蘇生法やAEDについてはまたの機会にお話しできたらと思います。
お子さま達の楽しみの1つでもあるお食事の風景です。新型コロナウイルス感染症による制限がなくなり、お互いに顔を合わせて食事を摂ることができます。「美味しいよ」「先生、見てピカピカだよ」などお子さま達の笑顔が弾ける時間を私たち職員はこれからもしっかりと見守っていきたいと思います。
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