ここ数年、日本は大きな地震、津波、台風などの自然災害が多く被災しています。東日本大震災以降、社会全体で非常時への備えをより具体的に考えるようになりました。
保育園では、非常時に備えて、アルファ米やお粥、カレー、パン、味噌汁といった食事になる物。水や氷砂糖といった命をつなぐ最低限の物。非常時の張り詰めた時間をホッとさせるためのお菓子といった「非常食」を準備しています。
保育園に備蓄している「非常食」の事を少しお話した上で、「もしも、皆のところに大きな地震や台風が急に来たらどうする?」とお子さまに聞いてみました。「(避難訓練みたいに)頭かくして逃げる」と毎月行われる避難訓練の事を話しているお子さまが多かったです。「逃げるのも大事だけど、ごはんはどうする?」と聞くと、「んー・・・」と困った様子のお子さま。栄養士が「皆にも出来る事があるよ」と言うと、「どんな事?」と興味津々でお子さま達が聞いてくれました。「食育の時間に、皆でおにぎりを作った事もあるね。そして、今日はそれだけではなくて、包丁を使わないでも出来るお料理があるんだけど、皆でやってみない?」と栄養士が声をかけると、「やってみたい!」とお子さま達から声が挙がりました。
大きく切ったアルミホイルにキャベツ、しめじといった手でちぎれる野菜を食べられる大きさに自分達で切り、肉、味噌だれ、バターを入れ、包みました。ホットプレートで蒸し焼きにして、ホイル焼きを作ります。
次に、戻し、湯がいておいた切干大根、きゅうり、しらすを袋に入れ、ドレッシングを加え、もみもみして、和え物を作りました。
ホイル焼きやごはんが炊き上がるまでの少しの時間、保育園にある「非常食」を手にとり、お子さま達と一緒に見ました。
「このお水やお菓子は、5年間置いておけるんだよ。皆の中で、もう5歳の人は居るかな?」と栄養士が聞くと、「私、5歳だよ」と教えてくれました。続けて栄養士が「〇〇ちゃんが生まれてから今日までが5年って事だよ」と伝えると「長いね」や「すごい!」と驚いているお子さまが多かったです。
鍋で炊いていたごはんが炊き上がりました。「わあ良い匂い」と出来立てのごはんに、「早く食べてみたいな」とわくわくしている様子でした。
ぎゅっぎゅっとラップに包んでおにぎりにします。
「さあ準備して、皆でごはんにしよう!」と少し早めの昼食でしたが、全てに関わったという事もあり、いつもより食べているようでした。「お鍋で炊いたごはん美味しい」「毎日、このごはんが良い」など、意外と鍋で炊いたごはんの人気が高かったです。
最後に、「皆が生まれる前、日本では大きい地震があって、長い間お家ではない所で暮らしていて、とっても困った事があったんだって。それは多くのゴミが出て、置き場がなくなってしまった事。なるべくゴミを出さない事も大切だけど、捨てる時に大きいまま捨てるのではなく、ギュッと小さくして捨てる事も大切なんだよ」とお話をしました。
今回の食育を通して、お手伝いから出来る事、普段の生活からコツコツと出来る事を少しでも伝わっていると良いなと思います。
これからも「非常時」に備えて、お子さま達と共に楽しみながら、備えていきたいです。
また、ご家庭でも何か「非常時」に備えて行なっている取り組みなどありましたら、保育園にも教えてくださいね!
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